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侵略

砂漠の戦い

ZAC2018年~ZAC2029年

 発信:ブラントン偵察中隊

「ワレ 帝国軍ノ大規模ナ作戦行動ヲ キャッチセリ タダチニ出撃ノ準備ヲ サレタシ」

 

 敵の特殊工作隊の動きが活発になり、帝国軍の作戦行動の前兆と読んだヘリック大統領はブラントンに命じゼネバス軍の動静をひそかに探らせていたのだが、ブラントンの報告は大統領の読みの正しさを証明した。

 

 ゼネバス皇帝は、レッドリバー戦役以来最大規模の作戦行動に出ようとしていた。それは、砂漠を横断し、中央山脈を越え、怒涛のように共和国に攻め込もうという一大作戦であった。ヘリックはすでにそれに備え、中央山脈一帯に共和国軍の主力を集結し迎え撃つ陣を敷いていた。

 

 ブラントンからの電信にヘリックは「全軍に告ぐ。中央山脈を越え帝国領内へ突入せよ」の総攻撃の命令を発した。

 

 いままでは、迎え撃つ受け身の作戦に終始していたヘリックは、ここで一気に勝負をかけたのだった。中央山脈を越え侵略する共和国軍、その多くの兵士は初めて目にする帝国軍の領地である。自分たちの作戦を逆手に取られたゼネバスは、首都決戦を避け急遽砂漠地帯に陣を敷いた。

 

 ここに、これまでのゾイド史上最大の作戦「砂漠の戦い」が開始された。

 投入されたゾイド、主力ゾイド100機、その他約5000機。両軍兵士合わせて5万人。砂漠はこうして血に染まっていった。

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