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ヘリックの策

ZAC1957年

 暗黒大陸軍の猛攻の中、ヘリックは兵力を温存し、一大反抗作戦を立案した。その決行日、すなわちX-Dayは、(ゾイド歴)7月25日と決定された。彼には、秘訣があったのだ。

 

「聞け星人、我らを襲うこの外敵は寒い国からきた。奴らの弱点は、暑さだ。もうすぐ、奴らがもっとも恐れる夏がくる。それまでなんとしてでも耐えぬくのだ」

 

 中央大陸西部高原に集結したヘリック率いる大陸軍は、南下してくる敵、暗黒大陸軍の前に立ちはだかった。 決戦の時が来たのだ。

 この日7月25日は、惑星Zi、北半球における夏始(地球の夏至にあたる)。中央山脈西部では一気に、気温が10度以上も上昇し、更に太陽の照射率は30%も増大する。

 北緯が高く、一年中太陽が地平線にわずかに顔をだすだけの永久凍土に住む彼ら、暗黒大陸軍の兵士及び生体ゾイドたちにとっては、容赦なく照りつける太陽こそ、最も恐れるものであったのだ。強力な紫外線に、兵士たちは視力を失い、生体ゾイドたちは、高温のために機能を止めた…

 完全に弱体化した暗黒大陸軍に、ヘリック率いる大陸軍は一気に襲いかかり、最初の交戦で勝敗を決した! そして、敗走する敵をガイロス率いる軍団が撃滅した。

 

 この事によって、西と東の兵士たちは、両者が力を合わせると偉大な結果がもたらされるのだ!という事を強く感じずにはいられなかった。

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