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X-ZOIDS

▲「ネオヴェナトル=新しい狩人」と名付けられたこのゾイドは、一見するとアロサウルス系とは思えないほど大きく、かつスマートな体型をしており、その外見からもこれまでのゾイドとは一線を画した存在であることが伺える。荷電粒子砲を標準装備し、各部に高起動用スラスターが装備されたこの高起動格闘戦闘用ゾイドは、とある小国の式典において、初めてその姿が公表されている。その流曲線で構成されたブルーメタリックのボディは、式典用のカラーだという。

 キメラ・ブロックスの実戦投入により、どうにか中央大陸を死守しているネオゼネバス帝国軍は、共和国軍の侵攻に備えるために、新型ゾイドの開発を急いでいた。キメラ・ブロックスの投入によって、ネオゼネバスは当初の計画以上の戦果をあげ、新型ゾイドの開発期間を充分に確保していたのである。

 ネオゼネバスのゾイド開発は、主力部隊である鉄竜騎兵団の陣容を見てもわかるとおり、従来の固定概念を取り払ったゾイドを中心に進められている。しかし、その技術的バックボーンはガイロス帝国のものである。共和国軍とガイロス帝国の間に休戦協定に伴う部分的な技術交流があることを鑑みれば、共和国との新型ゾイドの開発競争は、ガイロス帝国の資源が使えず、国力の弱いネオゼネバス帝国にとって不利な結果を招くことは自明の理であった。そこで、ネオゼネバスは、技術諜報部隊(キメラ・ブロックスの情報を帝国へもたらしたのも、この部隊によるものである)を各地に派遣。ローカライズされたゾイドの技術情報の蒐集に力を入れている。

▲レッドアイアンカラーのスティラコサウルス型とゴールドアイアンカラーのトロサウルス型は、レッドホーンの流れを汲む設計になっており、機体各部にレッドホーンの因子を見ることができる。どちらも共通パーツを使用することで、整備性と生産性の向上に努めている。両機体の差異は所属部隊によるものとされているが、スティラコサウルス型の方が部品精度が高いともいわれている。レッドホーンやダークホーンよりも砲撃戦を重視しており、どちらもキャノンとアンチ荷電粒子フィールド発生器を標準装備している。

▲機体強度が高く、技術的にも安定している角竜型ゾイドであるが、格闘戦を苦手とする欠点があった。このトリケラトプス型の小型ゾイドは、角をプラズマカッターに換装することで、格闘戦能力を高めている。

▲空陸両用のプロトアビス型。ゼネバス帝国のシュトルヒとは反対に、陸戦での作戦行動に重きを置いて開発された。滑空用の翼は剛性も高く、格闘時の際は武器として使うことも可能である。森林地帯での偵察などに用いられることが多かったという。

▲広大な平原を擁する小国のディノニクス型ゾイド。ガイロス帝国のディノニクス型と異なり、高速戦闘に主眼を置いて開発された。高速戦闘能力は、ライガーゼロのそれに匹敵するといわれている。人間工学に基づいたコックピットなど、先進的な設計が盛り込まれている。装備はすべてオプション扱いで、あらゆるパッケージングが揃えられている。

 惑星Ziには、共和国、帝国以外にも、さまざまな小国があり、独自にゾイドを開発している国家も少なくはない。こうした小国の中にはゾイドを輸出することで経済を成り立たせているところもあり、西方大陸戦争時には、そのデモンストレーションを兼ねて、共和国、帝国、それぞれが同盟を結んでいる勢力に自国のゾイドで編成した軍隊を派遣することも少なくなかった。その多くは、ガイロス帝国、共和国において制式採用されている機体の改良型であったりすることが多かったが、中には新設計の機体も見受けられ、戦線において活躍したことが記録に残されている。
 
 補給物資の問題もあって前線で歓迎されることはなかったが、両陣営にとってこうした異分子を組み込むことは、実験機などの実戦テストのカモフラージュとして敵方を撹乱するという意図も含まれていた。

 西方大陸戦争では、某小国の所属機であるというカモフラージュが施され、戦線に投入された実験機も存在していたといわれている。また、こうした自国の新型ゾイド(もしくは改造型)を派兵する小国側にとっては、同盟を結んだ陣営との関係を強固にする以上に、自国のゾイドを制式採用させるためのデモンストレーションでもあったのだ。これらの制式採用されていないイレギュラーなゾイドはXゾイドと呼称されており、戦後、そのデータはほとんど残っていなかった。西方大陸戦争後に開発されたXゾイドのデータは、ネオゼネバス帝国の技術諜報部によって収集され、次なる新型ゾイドの開発計画である「X計画」へと提供されている。

 「X計画」とは、中央大陸の覇権を決定づけることのできるだけの能力を秘めた性能を持つ決戦兵器的なゾイドの開発計画で、バーサークフューラーの後継機種をはじめ、様々な実験機の開発が行われている。ゴジュラスギガ登場後は、この計画の新たな条件として「基本的な戦闘能力は、これ(ゴジュラスギガ)を凌駕するもの」という一文が加えられることになる。

 「X計画」では、その発想をXゾイドからとっていることからもわかるとおり、従来の概念にとらわれない設計が求められていた。これはダークスパイナーや、SSゾイドがそうであったように、共和国にとって未知の戦術を前提とした機体が、相手に大きな打撃を与えることが可能というネオゼネバス帝国の用兵思想に基づいている。

共和国のケーニッヒウルフの設計を受け継いだ機体であり、ケルベロスモードの使用を前提とした設計がなされているのが特徴となっている。真偽は不明ではあるが、行方不明となっている幻の機体「銀牙」の後継機との噂も囁かれている。

液体炸薬式のスライド打突機構を備えたパキケファロサウルス型ゾイド。高速移動用のホバーユニットは、打突時に機体グリップとしても機能する。背部にはカートリッジ排出機構が組み込まれており、機体剛性を高めるために、そのフレームには独自の設計が採用されている。 

数あるXゾイドのなかでも、最も異彩を放っているのが、このヘビ型ゾイドである。そのサイズはゴジュラスギガをも凌駕しているといわれており、白兵戦では無類の強さを発揮する。ヘビ型ゾイドは、この他にもドラグーンネスト級の機体が確認されており、こちらはゾイドの母艦としての側面が強い。

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