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内乱
さらばガンビーノ
ZAC2032年
ゼネバスが秘密工場に入り浸りになり首都を留守にしていたある日、ガンビーノの部下の中隊がクーデターを起こし皇帝の館を占拠し立てこもる事件が起きた。
烈火のごとく怒ったゼネバスは急ぎ首都にたちかえり、ガンビーノを討伐隊長に任じ、自ら部下の始末を付けるよう命じた。
ガンビーノは、ゼネバスの命に背くことはできなかった。しかし、部下たちがやむにやまれぬ気持ちから反乱をおこしたこともわからないではなかった。皇帝の館に入ったガンビーノは、部下を説得し密かにあらかじめ手はずを整えておいた脱出路から彼らを逃がした。
ガイロス、ゼネバスに仕え、その勇猛さを帝国、共和国にとどろかせたガンビーノは、ゼネバスを諌めるために、館内で自らの命を断った。
「星人は、戦いに疲れております。皇帝閣下におかせられましては、この無益な戦いをはやくおさめ、兄上との和解の途を開かれ、昔の平和な大陸に戻されんことを、老兵の一命にかえてお願いいたします。
なお、我が部下のご処置は、私の命にかえて寛大に取りはかりくださいますよう重ねてお願い致します」
ガンビーノの遺書をゼネバスは破り捨てるや、逃げた反乱兵に賞金をかけ、
「一人残らず、捕まえてわしのまえに連れてこい!」
と命じたのだった。
ゼネバスの改造熱は部下の内乱とガンビーノの死以来さらに高まった。星人を狩りだし工場で強制労働につけさせ24時間体制で機械獣の強化を急いだのだった。
帝国は暗く、そして狂気の国へと変わっていった。
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