top of page

様々な武器提供

▲ ランドバリー

 一方、一足早く惑星に到着していた冒険商人ランドバリーは運良く、人目に触れる事なく帝国領地に着陸し、そのまま帝国民間人になりすまして、惑星Ziを観察していた。

 

 帝国に取り入ったランドバリーは、好戦的なゼネバスの性格を見抜き、より強大な破壊力で敵を粉砕する数々の兵器の開発と、生産を請け負う契約を結んだ。

 目標追尾装置付きクルージングミサイルやどんな固い装甲もぶち抜く超高速電磁砲、敵に命中しなくとも、敵の近くで自動起爆する近接信管付き砲弾、敵の真上から超硬質炭化タングステン製の弾子の雨を降らせる広範囲空中散布弾。

 そして高度な軍事行動を可能とするC3I(シー・キューブド・アイ)、すなわち高度な情報処理システムによる指揮、統制、通信の統括システムの設立などだ。
 彼は現状の帝国軍のあり方を、"鉄の鎧を着た騎士ごっこ"と冷たく批判し、大陸全土を力によって統一する気であれば、高度な近代兵器の大量生産とコンピュータシステムによる全軍の統制が不可欠との大演説を行い、ゼネバス皇帝の心をつかんでしまったのだ。

 攻撃に重点を置く帝国軍の性質を理解していたランドバリーは、ゾイドの防備よりも攻撃力の増強に力を入れた。彼はゼネバス皇帝と契約を結び、1万人規模の軍事工場の経営を任された。
 そこでつくる様々な光学兵器、磁力砲(レールガン)等の強力なハイテク火器を軍に納品し利益をあげた。

 まず、ゾイド本体内に強力なパワーユニットを増設し、そこから発生するエネルギーを使って、多数の光学兵器、ならびに磁力砲を稼働させるエネルギー兵器システムを考案し、それを帝国側ゾイド全てに標準装備すべく活動を開始した。

 これにより、従来の火薬の燃焼ガス圧で砲弾を飛ばすガスオペレーション方式の重火器しか装備していなかったゾイドに対し、数倍の破壊力を発揮するハイテク火砲が装着され、攻撃力は飛躍的に強化されていった。

 

 攻撃に力を入れる帝国に、ランドバリーはもうひとつのハイテク装備を提供した。

 敵、共和国軍が高度な電子探索システムを導入したことを知ると、その電子探索網の網の目をかいくぐる、ステルス性をもった外装の装備を考案した。

 ランドバリーは自分の工場内に対電子戦用研究室を作り、電波をはじき返すのではなく、吸収、拡散する特殊な塗料の開発をスタートさせた。これらをゾイドの装甲の全面に塗り付ければ敵レーダー波を反射せず、吸収し敵レーダーサイトに補足されず、敵地深くに侵入する奇襲攻撃が可能となるのだ。

 

 もし敵に肉眼で発見された時には、すでに勝敗は決している。

 多数の光学兵器と誘導ミサイルの一斉射撃で敵を瞬時に撃滅する、小規模編成の電撃機動戦が可能となる!と主張した。 このアイディアもゼネバス皇帝は大いに気に入り、ランドバリーは確たる地位を得ることに成功した。

bottom of page