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Ziの兵器は何故ゾイドか?

 まず彼らは改造ゾイドよりも、1両当たりの製作と量産が容易な戦車を作った。そして同コストのゾイドと模擬戦を行った結果、ゾイドが予想外の性能を発揮し、戦車を破壊した。

 タイヤに比べ遥かに効率が悪いはずの歩行足がなぜ?

 その答えは機械生体たるゾイドコアにあった。コクピットが出す電気刺激から生物の動きを再現する制御装置のコアは、同時に莫大な電力を生み出す発電機でもある。発する巨大電力は金属の多いZi地表に対して、マグネッサー効果で反発力を生み駆動を支援するのだ。

 すぐにコアを搭載した戦車が作られたが、そのコアは動かなかった。コアの神経が機体を自らの身体と認識しなかった為で、正常に機能させるには、骨格、神経配置の面でゾイドの体を再現しなければならないのだ。
 博士はゾイドを兵器とし、進歩させる事に決めた。

 そして、Ziの火器が全て火薬の燃焼ガス圧によって砲弾を飛ばす"撃ちっぱなし兵器"(誘導システムの付いていない兵器)しか無いことに気づき、コンピュータ火器管制システムとリンクした光学火器の開発と、ゾイドへの搭載を進言したのだ。

▲メカ生体は改造されて、ゾイド星人の手足として大切にされていた。

そのほとんどが運搬用であった

地球科学技術の導入

 地球人科学者クローネンブルグ博士は、共和国軍が勝利すれば大陸に平和が蘇ると信じ、優れた地球の電子技術を共和国に提供した。惑星Ziの文明において、最も遅れていたのがエレクトロニクスだったからだ。
 ゾイドたちがレーザー兵器や誘導ミサイルを装備するようになると、次に必要なのはコンピュータによるFCS(ファイアー・コントロール・システム)だ。
 敵を発見し、パイロットがその指でレーザーの発射ボタンを押す、その万分の一のタイムラグが、近代電子戦では命とりになる!
 かつて一機60億円した20世紀の地球の戦闘機の価格の1/3は、それに搭載されているコンピュータと電子戦用機材の値段だったほどだ。いくら強力な兵器も命中しなくては意味が無い。クローネンブルグは武器の強化もさる事ながら、共和国側ゾイドの電子化への対応を急いだ。

 その成果は徐々に現れ、ビームガンを多数搭載したゴジュラスにおいては、コンピュータによる火器管制システムを導入した後、同時に数体の敵に向けて照準をロックオンし、攻撃する事ができるようになったのだ。

 クローネンブルグは、敵、ゼネバス帝国に取り入った冒険商人ランドバリーらが、強力な光学兵器、ならびに誘導ミサイルの開発をすすめているとの情報を得ると、共和国側ゾイドの装甲を、光学兵器ならびに誘導ミサイル対応材質へと早急に変革せねばならないと考えた。
 従来の"硬い"だけの装甲では、近代戦では生き残れないからだ。

 装甲を貫くための徹甲弾に対しては、その弾頭が噴出する高圧ジェットを二重の装甲でふせぐスペースドアーマーを装備しなくてはならないし、一点に強烈なエネルギーを照射してくる光学兵器に対しては、攻撃を受けた部分が溶けてその熱を分散する耐レーザー溶融装甲が必要となる。
 これらの特殊装甲には、従来の鉄に代わって十数種もの新素材が必要なため、それらの開発を行う軍用基本素材開発生産工場を多数造らなくてはならなかった。

 ヘリック大統領は博士の意見をとりいれて首都の北東に巨大な軍需工業地帯をつくった。それは、星人の中から選出された優秀な研究員や技術者で構成された組織的なもので、工場の研究、開発、そして生産は時を待たず軌道に乗った。

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