対ウルトラザウルス用コングを開発せよ
帝国の挑戦
ZAC2037年
<帝国コマンド 共和国首都に迫る!共和国の大軍を手玉に!>
コマンド"エコー"の単独作戦は胸のすくような冒険劇として、帝国国民の喝采を浴び、新聞は連日、彼の活躍を書き立てた。
しかし、"エコー"の報告を受けた皇帝ゼネバスは、帝国と共和国との国力の差を見せつけられた思いで、深いため息をついた。
帝国技術陣の総力を上げれば、ウルトラをしのぐゾイドを開発することも夢ではない。しかし、一台や二台の巨大ゾイドを生産したところで勝敗に何の影響があろう。巨大ゾイドを量産するには、現在帝国軍を支えているコング、サーベルタイガーなどの生産をすべてストップしなければならないのだ。
皇帝ゼネバスには、"エコー"の話すウルトラザウルスの巨体の向こうに、共和国が誇るぼう大な資源、労働力、日夜活動を続ける数知れぬ工場群がありありと見えるのだった。
大きな危機が帝国を襲おうとしているのだ。ゼネバスは決断を下した。
「コングを改造し、ウルトラザウルスを撃破せよ。この作戦はすべて"エコー"にまかせる」
「同時に、帝国全軍はすみやかに共和国進攻作戦を準備せよ。ウルトラが量産される前に決戦を挑むのだ」
・寒冷地戦タイプ イエティコング
"エコー"が考案した寒冷地戦用改造メカ、「イエティコング」。
"エコー"はウルトラとの決戦の場を、中央大陸氷河地帯と定めていた。
▲背中の大型ファンからマイナス40度の風をふき出して、敵を凍りつかせる。戦場でのテストの結果も上々である。
▲背中に装着しているのは、寒冷地でも行動できるようにするための特殊な生命維持装置。最終的には小型化して体内に装備した。
・宇宙空間移動タイプ スペースコング
ウルトラのパワーに対抗するため、"エコー"はコングのスピードアップ、飛行能力の開発をはかった。その結果生まれたのが、大型ロケット装備の「スペースコング」である。
大型ロケットに乗って宇宙へ上がり、背中の宇宙空間移動装置で目的地の上空へ。逆噴射をかけながら地上へ舞い降りる。
この方法だとゾイド星のあらゆる地点にわずか20分で到着できるのだ。
▲ 宇宙空間を移動すれば、通常では進入できない地点にも進攻が可能になる。"エコー"がウルトラとの決戦場と考えている氷河地帯も行動範囲に入るのだ。
▲ スペースコングが宇宙空間で得たさまざまな飛行データは、大気圏内での飛行装置の開発に大いに役立った。
標的衛星を撃破するスペースコング。
イエティコング、スペースコングの実験結果は、最終的に、発展型コングの「アイアンコングMK-Ⅱ」として一種類の改造コングにまとめられた。