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戦場

ZAC2101年8月ニクス大陸 トリム高地/ビフロスト平原全域

 エントランス湾に強固な橋頭堡を確保した共和国軍は、ただちに暗黒大陸深部に進撃を開始。上陸後、わずかひと月でビフロスト平原からトリム高地に到る大陸中央部の占領に成功した。

 共和国軍がこうも容易く上陸戦緒戦に勝利できたのは、帝国軍司令部が共和国軍の上陸地点をニフル湿原からミッド平野と想定していたからだ。帝国海軍に気づかれることなくエントランス湾に侵攻するためには、強電磁海トライアングルダラスを抜けなければならない。それは不可能であるはずだった。そのためビフロスト平原以東の防衛体制は、極めて貧弱だったのだ
 
 だが、やがて共和国軍の快進撃も止まる時が来た。ニフル湿原、ミッド平野、ヴァルハラ方面の帝国防衛隊が回頭し、3方から共和国軍に襲いかかったのである。激突した両軍の総戦力は、共和国軍約150個師団(兵員約300万人、戦闘ゾイド約15万機)。帝国軍約200個師団(兵員約450万人、戦闘ゾイド約18万機)。空前の規模であった。プロイツェンの目論む「擦り切れるような消耗戦」が始まろうとしていた。

 

 だが、その頃プロイツェンにも計算外のアクシデントが起きていた。鉄竜騎兵団と共和国軍閃光師団との遭遇により、彼の野望が発覚しようとしていたのである。

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