top of page

前書きに代えて

 かつて惑星Ziには、3つの強国が存在した。暗黒大陸ニクスを本土とするガイロス帝国。中央大陸デルポイのヘリック共和国。そして、共和国と中央大陸の覇権を争い、敗れ去ったゼネバス帝国である。敗れたゼネバスの将兵たちはガイロス帝国に吸収され、民衆は共和国国民として統合された。それで彼らは幸せになれたのだろうか。答えは否である。少なくとも故郷を追われた将兵たちにとって、祖国の再建と中央大陸への帰還は悲願であった。

 ゼネバス帝国滅亡から約50年。彼らの悲願は今、密かに、静かに実現に近づいている。ゼネバス皇帝の血を引くひとりの英雄、ヴォルフ・ムーロアという名の男によって。だが天は、彼が真の皇帝を名乗るための試練を配していた。彼の生涯の宿敵となる男、レイ・グレックという名の試練を…。

▲帝国軍大佐 ヴォルフ・ムーロア

▲共和国軍中尉 レイ・グレック

bottom of page