空戦
喧嘩屋ゴードン
ゼネバスが共和国軍の最高司令官であった当時、海族の出身で喧嘩屋ゴードンといわれた兵士がいた。彼の愛機はエイ型ゾイドであった。しかし、武装は一切無く、陸海空を自由に移動できることから、輸送や伝令業務専門に使われていた。
ゴードンは喧嘩早いのがたまに傷ではあったが、操縦テクニックに優れしかも勇気があった。ゼネバスとヘリックが別れた時にも
「俺にはこっちが性に合いそうだ」
と、気軽に帝国軍に参加した。それぐらい、戦うことが(…彼の場合は喧嘩をすることであったが。)好きだった。
▲喧嘩屋ゴードン
三度の飯より喧嘩が好きな好漢。勇気があり、共和国の戦士を震えあがらせる存在であった。
その、ゴードンがいま乗っているのは最新のメカをフル装備した、戦闘ゾイドEMZ-19(シンカー)であった。そしてカレはいつの間にか、帝国空軍のエースになっていた。(エイ型ゾイドは本来は、海軍に所属しているが、ゴードン機は空軍に席をおいていた。)
共和国軍のRMZ-08ペガサロスを相手に回して喧嘩戦法を展開、帝国軍をひっぱる勇士であった。 ゴードンはゼネバス(ゴードンは皇帝も自分同様喧嘩好きなのだと単純に思いこんでいた。)に忠誠を誓い、あたかも共和国ゾイドを狩るハンターのように獲物を攻撃した。鋭い勘と天性の運動神経、とっさの判断力で敵の背後にまわりこみ撃墜する(彼の戦友はこの攻撃テクニックをゴードンターンと名付けた)さまはまさに神技であり、勇敢な共和国兵士もゴードンのシンカーをみると逃げまどうほどであった。
後のブラッドロック戦役の初戦において、ゴードンはペガサロスを10機以上撃墜大破した。この戦いは、それまでの空戦史上最大のものであった。
しかし、傷つき墜落する自軍の兵士をコクピットのフードを開けてみつめるゴードンの目はハンターのそれではなかった。そして海族でありながら空にいる自分自身がなぜか滑稽でむなしく思えてくるのだった。
シンカーもきっと海に帰りたいだろう…ゴードンは愛機のボディを軽くたたくとフードをしめ次の獲物にむかっていた。
共和国兵士を震えあがらせた喧嘩戦法
ゴードンターン
天性の動物的なカンと、生まれながらの負けず嫌いがうみだした喧嘩戦法。ゴードンは敵をギリギリまでひきつけて、チャンスと見るや一気に逆襲する。先手必勝の戦法ではない。だから共和国兵士たちは、"自分でもやっつけられそうだ…"と錯覚してゴードンの術中にはまってしまうのだ。
①ゴードンは愛機を必ず敵の前方にさらし、まるでスキだらけのようなフライトをする。
②敵を有効射程距離のギリギリまでひきつけて、まっすぐ超スピードで飛び続ける。
③敵が有効射程距離に入るやいなや、上か下へむかって360°回転する。
敵はゴードン機の描く円の中を抜けてゆく。
④360°回転して元に戻ると機を水平に制御し、一気に敵を撃墜する。